今やインターネットは当たり前のものとなり、毎日のように人々はインターネット上で調べ物をしています。そんな中で企業が収益を増やすのに必要なマーケティング手法として「コンテンツマーケティング」という手法があります。
コンテンツマーケティングを活用することで、自社のファンを増やし、収益の拡大が可能になります。コストパフォーマンスもよいコンテンツマーケティングは規模を問わず多くの企業が活用しており、市場規模もどんどん拡大しています。
そこで今回はコンテンツマーケティングの市場規模や、今後の動向について解説していきます。
「コンテンツマーケティングの市場規模がどうなっているか知りつつ、これから自社でコンテンツマーケティングを行う上での注意点も知りたい」というWebの集客や分析を担当している方はぜひご覧ください。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは…
読者に有益なコンテンツを発信して最終的に自社の商品やサービスのファンになってもらうマーケティング手法のことです。
具体的には、以下のような一連の流れをインターネットを駆使したコンテンツで行う方法が一般的です(他にも「ホワイトペーパー」など、複数のコンテンツを駆使してマーケティングを行う場合もあります)。
1.自社ブログやWebサイトなどで潜在顧客を集客
2.メール会員登録などで見込み率を引き上げ、メールマガジン配信などでフォロー
3.営業部の接触など、確度の高い見込み客にはアプローチを行う
4.商品購入やサービス登録などのコンバージョンへつなげて、引き続きフォローを行いファン化につなげる
ちなみにコンテンツマーケティングと似たような言葉に、「コンテンツSEO」があり、この2者を混同する方もいらっしゃいます。
しかしコンテンツSEOは自社ブログやWebサイトなど、検索エンジン上のコンテンツにSEO対策を施し、潜在顧客から見込み客への引き上げを効果的に行う手法です。
対してコンテンツマーケティングはコンテンツを用いて、潜在顧客からファン化するまでの一連の流れ全てを指します。
両者は似ているようで意味が違いますので、混同しないように注意しましょう。
普及した背景
コンテンツマーケティングの発祥はアメリカです。
アメリカは国土が広く直接対面でセールスを行う、といったアプローチが難しいので、いち早くインターネット技術を駆使したコンテンツが発達しました。
そしてその中でコンテンツマーケティングといった「インバウンドマーケティング(ユーザーに訪問してもらうのを待つプル型のマーケティング手法)」も主流になりました。
対して日本は国土も狭く、直接対面でセールスしたり、電話でアポイントを取ったりと、「アウトバウンドマーケティング(企業が自ら積極的に販促を行うマーケティング手法)」の文化がいまだに根強く残っています。
しかし、こういったアウトバウンドマーケティングはそもそもターゲットユーザーにリーチするとは限らず、欲しくもない商品やサービスの販促に敬遠して嫌がる人も増えてきました。このような背景があり、日本でも現代に即したインバウンド型のコンテンツマーケティングを活用する企業が増えています。
特に自社ブログやWebサイトなど、顧客の入り口として活用されているコンテンツでは、「いかにインターネットユーザーにとって有益な価値が提供できるか」がポイントです。これは「Google」が各種アップデートを行い、よりインターネットユーザーの視点に近い、内容が伴ったWebページを上位に表示するようになったことからも裏付けされています。
インターネット上での見込み客のタッチポイントとして「リスティング広告」も使われていますが、運用コストがかかる上に広告とはっきりわかってしまう従来の配信タイプはユーザーに嫌われる傾向にあります。
そのため、プッシュ型の性質があるリスティング広告よりも、まずはユーザー自身に見つけてもらい見込み客として集客するようなプル型のコンテンツマーケティングの需要が伸びているといえます。
コンテンツマーケティングの市場規模
ここからはSEO施策におけるコンテンツ制作や、それに伴ったクラウドソーシングの市場動向から、コンテンツマーケティングの市場規模を解説していきます。
コンテンツSEOの市場規模
コンテンツマーケティングを行う上で欠かせないのがSEOを意識したコンテンツの制作です。
現在、SEO対策によるコンテンツ制作を含めた市場規模は500億円程だといわれています。
SEO対策を請け負う企業が増加しているのと比例して今後もコンテンツ制作の需要は高まっていくといえるでしょう。
クラウドソーシングの市場規模
クラウドソーシング業界の活性化などを目的に活動を行っている「一般社団法人クラウドソーシング協会」では、国内クラウドソーシングの市場規模推移と予測についてのデータを発表しています。
それによると2016年には950億円だったのが2020年には2950億円を超える見込みで、5年もせずに3倍以上の伸びを見せている計算になります。政府が働き方改革の一環としてリモートワークなどの推進を行っていることからも、今後も市場規模拡大の勢いは止まらないでしょう。
フリーランスに仕事を依頼すると、人手不足の企業でも記事などのライティングやWebサイト制作など、収益向上に必要な各コンテンツを他企業に外注するよりも安価に制作してもらえます。コスト面からもフリーランス市場は人気があり、賑わいを見せていくことが予想されます。
今後の動向
これまでコンテンツマーケティングの市場規模について見ていきましたが、これからも市場規模はどんどん拡大していく、ということがわかります。
実際に中小企業でもコンテンツマーケティングを駆使して従来よりも収益向上に成功している事例もたくさんあり、今後も「企業であればコンテンツマーケティングを行うのが当たり前」という流れが加速していくでしょう。
ただし、すでにインターネット上にはたくさんのコンテンツがあふれています。その中で顧客に上手く自社ブログやWebサイトに訪問してもらい、ファン化させるには、他社とどう差別化しながら顧客の疑問や悩みを解決できるコンテンツを継続して発信していくかが重要になります。
コンテンツマーケティングは長期的な目線での戦略となるので、すぐに効果は上がりません。しかし、他社と差別化してオリジナルコンテンツをどんどん発信していけば、自然に顧客も増えていきます。コンテンツマーケティングで最大限の効果を得るためにも、有益なコンテンツを作り出し続ける姿勢がポイントになります。
プル型のコンテンツマーケティング手法が主流に
今回はコンテンツマーケティングの市場規模と今後の動向についてご紹介してきました。
プッシュ型のマーケティング手法は人々に嫌われ始め、それに代わってコンテンツマーケティングなどのプル型のマーケティング手法が主流になりつつあります。
最初から自社の商品やサービスに興味がある可能性の高い顧客を集客してファン化できるコンテンツマーケティングは、上手く行けば継続的にファンを作り出し、自社の収益向上につなげられます。
今回紹介したコンテンツマーケティング関連の市場規模データからも、それが色濃く見えています。効果測定を行いながら、コンテンツマーケティングを駆使して効率よくファンを作り出し、ぜひ収益向上を成功させてください。
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筆者紹介
株式会社doubLe WEBマーケティング事業部 取締役
大学在学中より、インターンとしてSEO営業、コンサルティング業務に従事。
SEOの新規クライアント開拓から施策実装までを一貫してフォローする中で、数多くの競合がひしめく検索エンジンで数多くの失敗と成功を体験する。
100社様以上のクライアントのSEOを担当する中で見に付けたノウハウを元に、 今なおSEOの現場でGoogleアルゴリズムと格闘する毎日。